当事者が教える大人の発達障害の診断方法と体験談

 

  • 大人の発達障害とは
  • 発達障害の簡易診断
  • 僕の場合
  • さいごに

 最近発達障害について目にしたりすることが多くなりました。けれどひとえに障害といっても種類があるし、ADHDやASDなどの単語を目にしても正しい知識がないと混乱してしまいますよね。ネットで調べたり簡易診断をしてみたはいいものの以外と自分に当てはまっていて不安になっている人もいると思います。今回は私のように受診前に不安に陥ってどうしたらいいか分からない人のために実際に発達障害と診断された私が発達障害にたいする認識や誤解、診断方法、病院への受診などなどを経験を交えながらお教えしたいと思います。

大人の発達障害とは?

 まず発達障害とは「生まれつき」脳の発達に障害があることの総称です。発達の障害というのは偏っていたり何かが遅れていたり様々ですが、おそろくこれを読んでいる人のほとんどはADHDやASDに該当するのではないでしょうか。症状は人により様々ですが我慢ができなかったり、落ち着きがなかったり、物事を表面的に捉えてしまうといったものがあります。アスペというネットスラングはASDに該当するような人たちのことを言っているのだと思います。

 しかしADHDやASDは成熟するにつれて症状が薄れていきます。とくに我慢や落ち着きがないなどと言った多動はほとんどの人がよくなりますし、物事を表面的に捉えてしまい冗談が分からない人も学習できないわけではないので生活に馴染んでいることが多いです。

 ですがこの症状の緩和は発達障害の発見の遅れに直結します。これが大人の発達障害とわざわざ別に定義している問題の根幹だと思います。大抵の場合症状が激しすぎたり普通教室が難しいくらいの他の発達障害や、家族や教師の理解が得られた人は病院へ受診し診断までいってしまいます。ですが「すべての人が発達障害にたいして理解があるわけではありません」発達障害だと診断されないまま大人になっていく人もいます。人によっては不自由だと感じずに日常生活を送れている人もいます。ですが発達障害は先天性のもので治ることは一生ないのです。ですから大人になって社会に障害を感じる人たちは少なくないです。

発達障害の簡易診断

 じゃあどうすれば診断できるんだよ! そう思ってブラウザに「発達障害 診断」などと検索するとADHDやASDなどの簡易診断が候補にあがります。かくいう私もそれでした笑

 本当に簡単なものなので数十秒で終わると思います。占いみたいみたいなものだと思って是非気軽にやってみてください。さて、やってみると焦っている人がいるんじゃないでしょうか。全部当てはまっている人もいると思います。ですが安心してください。実はこれ、ほとんどの人が当てはまるように作られています。

 それには理由があります。それは大人の発達障害の受診しにくさです。上記のように大人の発達障害は自覚しにくいです。かくいう自分も自分が障害者だなんて夢に思いませんでした。だって普通に話すことはできるし、こうして文章を書くことだってできるんですから。

 仮に自分が発達障害だと思っていたとしてもいざ病院への受診となるとハードルが高いです。病院事態にあまりいい印象はありません。買い物や映画に行くみたいに病院へ行こうなんて言う人はいないと思います。それが精神科への受診となるとやはり気が引けますよね。

 周りの人に知られたくないと思う人も多いと思います。私は田舎だったので近所の人や街の人に自分が精神科に行っているなんて死んでも知られたくなかったです。田舎ネットは怖いです。白い目で見られるのは自分だけではありません。家族や親戚のことを考えるとなかなか行動ができずにいました。

 なのでこうした様々な理由から病院へ行く人は少ないというわけです。実際に病院で大人の発達障害だと分かるのは二次障害である鬱などの精神疾患で受診したあとのほうが多いです。私も最初は鬱だと診断されました。この鬱も病院への受診の障害となります。鬱状態の時に外に出るのは困難ですからね。

 私は幸運にも病院で働いている友達に勧められてなんとか受診にこぎつけたのですが、振り返ってみると過去に酷い鬱状態だった時期が何度もありました。恥ずかしながら抜毛といって一日中髪を脱いてへらへらと笑っていることもありました。やっぱりそんな状態の人間が外出できるわけないですよね。

 ですのでこういった理由から少しでも受診率をあげるために簡易診断は誰にでも当てはまるように作られています。心理士の先生も言っていましたが忘れ物をしたことがない人なんていないですよね。程度に差はありますが。

 簡易診断はあくまで受診へのきっかけと思ってもらって間違いないです。診断は心理士の先生などとのやり取りのなかで最終的に精神科の先生が決めるものですから多く当てはまったからといって不安にならなくてもいいのです。

 発達障害の診断は病院でしかできません。なので僕のように鬱や病院嫌いなどの方はどうしても最初の一歩が難しいと思いますがそこは国も社会も助けてはくれませんので少しでも調子がいいときに行ってみてください。

僕の場合

僕の場合最初は診療内科を受診して鬱と診断されました。時系列としては以下になります。

心療内科受診

医者と面談

鬱診断 投薬治療開始

発達障害疑われる

紹介状を書いてもらう

STEP.2
精神科受診

地域担当と面談 心理士と面談 医者と面談

検査日の予約をとる

STEP.3
検査日当日

心理士と面談 半日以上かけて検査 CAARSとWAIS-Ⅲをやる。

医者と面談 検査内容が明らかだったのでその場でおそらくADHDだと思うと告げられる。(診断結果がでるのには時間がかかる)

STEP.4
後日

ADHD診断

そのまた後日ASDの検査もやってASD診断されました。

 発達障害は先天性のものです。検査は知能指数のテストをしたりもします。しかし後天性の影響があるとも考えられています。先天性は生まれる前から決まっていること、後天性は生まれたあとの環境などで決まることです。発達障害と診断される人はあまり満足に人生を歩んでいる人は多くはないと思います。思い出したくないほど苦い記憶や失敗、いじめや親からの暴力など人がいればいるほどいろんな環境があると思います。そういう環境で過ごすと脳の成長や心の性格や特徴などの形成が阻害されたりばらつきがあったりするかもしれません。僕は親からのDVやいじめなどで人間不信になっています。

 なので発達障害の検査をするためには知能テストの他に詳細な聞き取りがあります。これは本当に途方もないくらいのもので家族構成や出身や友人などとにかく今までの自分の半生のありとあらゆることを話します。思い出したくない過去のエピソードやトラウマなどを他人に語るのは苦痛ですが、それは医師や心理士の先生が患者を判断する上で重要な情報になっていきます。

 最後に僕の場合を例として紹介します。診断結果の画像などを含めた詳細な記事を別で書こうと思っているので省略します。

 僕がまず行ったのは診療内科でした。ネットで見つけたNPO法人のこころの窓口のような医者と電話相談することができるところで二回ほど相談したことはあったのですが、実際にはじめて精神的な医療施設を訪れたのはそれが初めてでした。

「どうされましたか?」

 僕が医者と二人きりになると長いカウンセリングがはじまりました。このセリフはいまだにどんな病院へ行っても言われるのですが自分のことを上手く説明できない僕にとっては難関です。自分の何を説明していいかが分からないのです。もちろんこの時も僕はそのセリフを言われたとたん頭のなかが真っ白になって何を言えばよかったのか分からくなってしまいました。僕はこれを予期していたので事前にスマホのメモ帳に僕が困っていることや自覚している症状を箇条書きで書いていたのでそれを渡しました。これは僕のような人間には非常におすすめの手法です。事前にゆっくりと時間をかけて頭のなかを整理したものをメモなら伝えることができます。

 それはとても長いもので初回に至っては2時間以上話していました。僕は医者と個室で二人きりで本当に多くのことを話しました。僕が今まで困っていることや今の状況、そして今までの半生です。これは家族構成や病歴、学校や出身などの基本的なものから僕のトラウマや小さなエピソードなどを生まれてから自我が芽生え最初に記憶しているものから順に話していくというものでした。これはいろいろな意味でとても辛いもので僕にとっては耐え難いものでした。しかし話さないと病院へ来た意味がないと思ったので自分を奮い立たせてなんとか話し終えることができました。

 結論から言うと僕はそこで鬱と診断されました。そしてサインバルタという薬などをもらって投薬治療を開始しました。そして病院が遠いので月に一回か二月に一回でしたが通院することになります。家から病院が遠すぎたのと仕事の関係で受診間隔をあけてもらっていました。そういう融通はある程度は聞いてもらえると思うのでもし受診した際は気軽に相談してみてださい。病院へ行くたびに服薬してから変わったことがないかなどを話したり世間話のようなものをしていました。そんななかで僕はある日、発達障害の疑いがあると告げられました。

 頭が真っ白になりました。自分が生まれてから障害者だなんて思ったことなんて一度もありませんでした。ですがADHDやASDなどの発達障害について調べてみると思い当たることが多くて笑ってしまうほど自分に当てはまっていました。僕は気になってしょうがなかったので検査をしたいと医者に希望しました。しかしそこの診療内科では検査することができなかったので先生に紹介状を書いてもらって別の病院へ行くことになりました。

 次に行ったのは病院は精神科でした。以前の病院よりは立派な施設でした。そこで最初にやったことは心療内科でやったことと同じように僕の半生の詳細な聞き取りから始まりました。相手は地域連携担当の人でした。僕は2時間以上かけて今までのことを話しました。そのあいだ思い出したくないことがあったり、以前の病院でも話した同じことを話すという苦痛がありましたがなんとか話し終えました。

 その後に心理士の先生と1時間ほど話しました。内容は地域連携担当の人の話とほぼ同じです。そして次に精神科の医者とまた1時間ほど話しました。そこで発達障害の軽い説明や検査の説明を受けてからその日は帰りました。

 後日病院へ向かうとさっそく検査がはじまりました。発達障害の検査は心理検査と知能検査があります。まず僕は心理検査を行いました。検査は個室で心理士と二人きりになってはじまりました。

 僕はCAARSという心理検査を行いました。これはADHDの検査で簡単に言ってしまうとこれはネットでできる簡易診断のより詳細なものです。用紙を渡されかなりの量の設問に答えていきました。終わるのに時間がかかってしんどかったですがなんとか終わらせました。

 次に知能検査を行いました。これがもっと長かったです。僕の病院ではWAISSⅢという検査方法がとられていました。内容は様々ですがいくつかの方法で計算をしたり言葉の意味の理解度を調べたり、図形を並べ替えたりしました。これらは一般的に言われるIQテストというやつです。ですので自分のIQがこれでわかります。ですがここで見られているのはIQの数値ではありません。実はIQはいくつかに分けられます。WAIS-Ⅲの場合は言語性IQと動作性IQというのがあります。この二つで算出される総IQが一般的に言われるIQなのですがこれが高くても低くても発達障害の診断には関係がありません。詳しくは別記事に掲載しているのでよかったら参照してみてください。

 最初の方はとても楽しくやっていました。心理士の方は好きなものからやっていいと言って検査の課題?の道具などを出して選ばせてくれました。僕はそれらが非常に興味深くて最初は楽しんでやっていました。検査のなかで僕は得意ものと苦手なものがあるのを理解していきました。もう絶望してしまうほどまったくできなかった課題もありました。そして集中力が徐々になくなっていって途中からは部屋の本棚に置いてあるフィギアが一つだけ倒れているのがずっと気になっていました。

 ADHDは注意散漫なので休憩を挟みながらやってもよかったそうですが僕の場合はほぼぶっ続けで予定よりは早く終わりました。休憩せずに早く終わりたいというのが正直なところでした。ですが朝の9時にはテストをはじめたのに時計は14時を過ぎていて実に5時間以上も経っていました。とても早く終わってそれなのですから通常の検査の時間は恐ろしいですね。

 検査結果が出るのには早くて一か月ほどかかります。ですがある程度の結果は心理士さんが頑張ればだいたい分かるとのことで僕は医者に促されて昼食をとりに病院を出ました。五月の良く晴れた日でした。乾いた風が心地よく、海の稜線が煌めいていて鳥たちが鳴いていました。僕は潮風の匂いを吸い込みながらこれからどうやって生きていこうか漠然と考えていました。

 昼食後に病院へ戻ると先生と1時間ほどまた話しました。そしてそこでまだ断言はできないけどおそらく発達障害だと告げられました。そこでいろんな説明をうけてからその日は帰りました。長い一日でした。とても疲れたのを覚えています。

 検査結果が出るまでにちょうどひと月ほどかかったと思います。この間心理士の先生が検査結果を分析し僕のテスト中の様子や会話や遍歴などの様々な要素と検査結果をもとに専門的な判断をします。そして最終的には精神科の先生によって診断が決まります。結果はADHDでした。グラフや数値を出して医者に説明してもらっているときに一番ンましな項目がありました。でも医者はこれでも平均より上だからねと何度も念押しするように言っていてそれがなんか可笑しかったです。

 自分が発達障害だと診断されたときの気持ちは複雑で半分くらいは悲しかったです。それは自分が障害者だという事実が社会的な烙印という確かな形で明確されたことやこれからどうすればいいのかという漠然とした疑念に答えが見つからなかったことなどが起因していると思います。今まで目を背けてきたものをまざまざと見つめるきっかけになりました。

 でも半分は嬉しかったのです。それは自分が今までできなかったことや疑問に感じていたことの理由が見つかったことにどこか安堵したことや自分がどういう人間なのか体系的に分かったのだから情報を駆使してこれからの生活に生かしやすくなったということがあったかもしれません。

 とにかく診断結果を聞いたときの感情は矛盾する感情がない交ぜになってまだその事実を受け入れきれない心が反発してドキドキしていました。そして少し明るくなって視覚化できた未来にワクワクもしていたのでした。

さいごに

 発達障害の診断をして僕はよかったと思っています。結局それは人によるのだとは思いますが診断するといろいろと見えてくるものがあります。自分が発達障害かどうかを知ることによってあなたの生活がよりよくなるきっかけになるかもしれません。日本の福祉社会制度を活用して経済的にも恩恵を得ることもできます。

 もし発達障害の診断をするときはとても長い時間がかかるので相応の準備をしていきましょう。お腹が空くと思うのでお昼の用意もしておくといいんじゃないかと思います。

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